「泣く」と「鳴く」。そして「無い」と「空」。
相反する感情や余白を抱えながら、ナキソラは音を鳴らす。
ネット掲示板、InstagramのDM、偶然と必然が重なって生まれた4人組エモーショナルロックバンド・ナキソラ。
シンプルであることを恐れず、感情を削ぎ落とさずに鳴らす彼らの音楽は、気づけば日常に静かに入り込み、なくてはならない存在になっていく。
今回は、Vo.Gt.りょうか、Gt.あつひろ、Ba.岬、Dr.コウスケの4人に、結成の背景から楽曲制作、ライブに込める思いまでをじっくりと話してもらった。
(取材:KAON)
偶然の出会いが必然になった─ナキソラ結成の背景
—— バンドを結成した背景を教えてください。
あつひろ:僕の前のバンドが解散したので、ネット掲示板でメンバー募集をしました。もともとはミクスチャーのラウド系の音楽をやっていたんですが、今のナキソラみたいなバンドがやりたくて。僕から最初にりょうかさんに連絡をして、その後コウスケが加入しました。そこからコウスケが岬を誘って、今の体制になりました。
りょうか:あつひろから連絡があり、掲示板に上がっていた音源を聴きました。
コウスケ:ちょうど前のベーシストが抜けてしまって、新しいベーシストを探していました。Instagramで「弾いてみた動画」を見て、この音いいなと思ったのが岬さんでした。活動場所が近かったこともあって、長文のメッセージを送ったんですが、1週間くらい返ってこなかったですね(笑)。
岬:前の仕事を辞めるタイミングでたまたまInstagramを開いて、コウスケからのメッセージに気づきました。音源を聴いていいなと思ったのと、自分のベースが入ることで化学反応が起きて面白そうだなと。
音楽性もそうですが、人柄がいいのが決め手でした。みんなしっかりコミュニケーションが取れるのが嬉しかったです。

「泣く」と「鳴く」─バンド名に込めた想い
—— バンド名の由来を教えてください。
りょうか:みんなで相談して決めました。「泣く」と「鳴く」の意味があって、日常生活になくて困るような存在になれたらという思いがあります。カタカナの方が覚えやすいかなと思って。
岬:諸行無常のようなイメージもありますね。「無い」と「空」という感じで、満たされていない言葉の意味合いが日本人っぽくていいなと思っています。
—— ロゴも素敵ですよね!
コウスケ:手書きは僕が書いていて、ロゴデザインは妹が担当しています。妹はデザインの仕事をしているんです。

自分たちを一言で表すなら「エモ」
—— 音楽のジャンルは何ですか?
りょうか:エモーショナルロックです。
あつひろ:バンドのキャッチコピーを決めるときに決めたんですが、ライブを見終わったときに、このバンドはどんな印象かなと客観的に考えたら、第一印象は「エモ」だなと。
りょうか:歌ものギターロックとも言いますね。エモって、ちょっと抽象的ですけど、あえてエモーショナルロックと言っています。
それぞれの原点─音楽を始めたきっかけ
—— メンバーそれぞれの音楽を始めたきっかけは何ですか?
りょうか:もともと歌うのが好きでした。楽器は弾けなかったので、デビューを目指して養成所にも通っていて。仲の良かった友達がバンド好きで、教えてもらって聴き始めたのがきっかけです。「かっこいい!」と思って、自分もバンドをやりたくなり、ギターを練習して曲も作り始めました。
最初は「楽しい」だった気持ちが、途中から「売れたい」に変わっていきました。ジャンルは歌モノ系が好きでしたね。

あつひろ:当初はバンドをやりたいというより、作曲家志望でした。高3のときに音楽の道に進みたくて、作曲を学ぶ専門学校に行きました。DTMで打ち込みをして、ヒップホップをずっとやっていましたね。
名古屋でラッパーと組んで、トラックメイカーのような形でクラブにも出ていました。高3の文化祭でバンドを組んだことが、音楽の道を志すきっかけでした。卒業後20歳で上京して、その時点でも作曲家志望で、ボーカリストの知り合いが欲しくてバンドを始めました。
コウスケ:母がピアノの先生で、音楽に触れる機会が多かったです。高校の同級生が閃光ライオットの準決勝に出ていて、そのライブを観に行ったときに衝撃を受けました。普段の姿とステージ上の姿のギャップがかっこよくて。
その頃に父が電子ドラムを買ってきて、好きな曲を叩き始めたのがドラムの始まりです。大学ではサークルで、climbgrowやインディーズ、ONE OK ROCK、ELLEGARDENなどをコピーしていました。
岬:高校生のとき、不登校になったクラスメイトがバンド同好会をやっていて、その穴埋めで参加したのがきっかけです。母がドラムをやっているバンドマンで、家には常にバンドサウンドが流れていました。
自分もピアノをやっていましたが、そこからベースを始めました。高校・大学ではコピーバンドで、BACKBONE、ストレイテナー、Nothing’s Carved In Stoneなどを演奏していました。今まででコピーした曲は500曲くらいになります。
初ライブは新宿ANTIKNOCK
—— 初めてのライブはどんなものでしたか?
りょうか:知り合いのライブを観に行って、その後ブッカーさんにつないでもらい、新宿ANTIKNOCKに出演しました。めちゃめちゃ緊張しましたね。でもスタジオでは棒立ちだったメンバーが、ライブではしっかりあおってくれて、安心感があって楽しくできました。
先輩バンドのツアー共催企画だったので、知らないお客さんもいましたが割とアットホームな感じでした。
—— 結成してどのくらいのタイミングでライブを?
りょうか:5曲できたタイミングです。
あつひろ:ライブの1ヶ月くらい前に、急いで残り1曲を作りました(笑)。

「自分がやりたい」よりも、「この4人で鳴らしたい音」
——作曲するときに大事にしていることはありますか?
あつひろ:一番意識しているのは、「このバンドでやったらかっこいいな」と思えるかどうかです。自分がやりたいことよりも、その視点を大事にしています。
足し算をしすぎないようにしていて、シンプルを怖がらない。シンプルでもかっこよくしたいですね。
作曲は、僕が先にオケを作ってから、りょうかさんに歌を入れてもらいます。
りょうか:メロを入れて、ある程度できたらみんなにフィードバックをもらっていますね。
岬:僕は音源を聴いて、結構自由にアレンジしています。オケのベースはルート音だけなので、自分でベースラインは作っちゃいます。
コウスケ:ドラムはオケをもとに構成を作って、スタジオで少しずつ詰めていきます。基本の形は結構決まっているので、そこにアレンジを加える感じですね。

——作詞はどんな思いを込めていますか?
りょうか:自分の経験にもとづいた内容が多いです。頭の中に物語ができると作りやすいですね。
難しい言葉は使わず、聴き手によってどちらにも捉えられるように、言葉をぼかして決めつけないようにしています。
——どのように作曲を行っていますか?
あつひろ:とにかく準備します。曲を作る前に200〜300曲くらい聴いて、1日中音楽を聴いてから「こういう曲を作ろう」と決めてドラムを打ち込みます。
バンド、ヒップホップ、アイドルなどジャンルは問わず、関連する音楽は全部聴きます。悩んだら、またたくさん聴いて、これだと思うものを入れ込んでいきます。
創作の刺激は、インタビューや日常の変化
——創作の際に刺激を受けているものはありますか?
岬:アーティストのインタビューです。何に影響を受けて曲ができたのかを知って、自分も同じことを経験して曲を作ってみます。
アーティストの答えと、自分のアンサーが全然違うことも多いですが、それが曲に反映されることもあります。

コウスケ:YouTubeでインディーズバンド紹介の動画を観たり、大学時代にコピーしていたバンドの曲から直感的に引っ張ってくることがありますね。
あつひろ:とにかくたくさん曲を聴くことですね。あとは日常を平凡にしないこと。年に一回はやったことのないことをするようにしています。去年は会社を自分で作りました。そうした変化が音楽にも反映されます。
りょうか:散歩して綺麗な景色を見るのが好きです。自然の中に行くとアイデアが浮かぶことも多くて。散らかった感情を、ぎゅっとまとめて歌詞にしています。
緊張すら味方にする─ライブで生まれるナキソラの空気
——ライブで工夫していることはありますか?
りょうか:マイナスなことは言わないようにしています。緊張しているときは、あえて大きな声で「あぁ緊張する!」って言います(笑)。
コウスケ:ステージドリンクは温かいお茶です。気持ちが上がりすぎないように、ほうじ茶を飲んで落ち着かせています。
岬:フロアをよく見て、全員と一度は目を合わせるようにしています。一小節先が決まらないくらいの感覚で、自由に演奏するようにしています。僕は緊張しているときの方が、うまくいくことも多いですね。
——MCはどなたが担当していますか?
りょうか:今は私が話しています。事前に言いたいことを書いて、メンバーに添削してもらい、当日の雰囲気に合わせて話します。
——会場の雰囲気に飲まれることなどはありますか?
コウスケ:アウェイなときはありますね。機材トラブルもあったりします。
りょうか:今日は少しアウェイなイベントだと感じたときほど、事前に“いつも通りやろう”と意識するようにしています。

ナキソラを形づくった音楽の原風景
——影響を受けたアーティストはいますか?
りょうか:中島美嘉さんが自分が歌いたいと思ったきっかけです。今はFoo Fightersに影響を受けています。
あつひろ:UVERworldです。小学校からずっと好きで、今もライブに行っています。
コウスケ:climbgrowやWOMCADOLE。ライブハウスにもよく行っていました。
岬:Nothing’s Carved In Stoneのベース、日向秀和さんです。家族全員ファンで、毎年ライブに行っています。
あとはBUMP OF CHICKEN、a flood of circleですね。

ワンマンのその先へ─ナキソラが描く未来図
——今後の夢や展望を教えてください。
りょうか:売れたいです。ワンマンをゴールにした遠征もしたいし、海外ツアーもやってみたいです。
——ファンの方に一言お願いします。
りょうか:いつもありがとう。これからもよろしくね!
岬:任せてください!
現在決まっているライブを教えてください!
2/16(月)渋谷 CLUB CRAWLOP/ST 18:00/18:30ticket ¥2,400(+1d)CLUB CRAWL pre.「CRAWLS」actQLTONEFried.Mars Melt.SunTHIRSTY RAGEナキソラ
2026.04.08(WED)
Planet K Presents.
「Floor!Floor!Floor!」※フロアライブ
出演
Aftertalk
Grive fib
Lenalee
ナキソラ
SHiTTOPEN18:30
STRAT19:00TICKET2,800(+1D)
番外編
——休日はどんなふうに過ごしていますか?
りょうか:寝ていることが多いです。
あつひろ:週1で銭湯とサウナです。
コウスケ:スタジオ練習とサウナですね。
岬:ガンダムのことを考えています。
「ナキソラ」プロフィール

2021年結成 東京都4ピースロックバンド
Vo.Gt.りょうか、Gt.あつひろ、Ba.岬、Dr.コウスケ






