ジャンルや固定観念に縛られず、自分たちが信じる音楽を追求し続けるバンド、湯冷めラジオ。
彼らの音楽の源泉とは何か。ファンを魅了し続ける理由に迫る。
今回は、ボーカル&ギターの緋乃白さん、ギターのゴキタダイスケさん、ベースの長谷川レナさんにインタビュー。音楽への真摯な姿勢と、それぞれの個性が絶妙に溶け合うバンドの魅力を探った。
(取材:KAON)
音楽性やメンバーについて
音楽のジャンルは何ですか?
緋乃:特定のジャンルにこだわらず、自分たちがやりたい音楽をやっています。
特に決まっていません。
メンバーの出会いについて−どのようにバンドメンバーは集まったのですか?
ゴキタ:緋乃さんがバンドメンバー募集の掲示板を通じてメンバーを集めました。
緋乃:初めて会った4人で結成しました。運よく素敵なメンバーと出会えたと思います。
楽器の演奏技術よりも、人間性を重視して選んだのですか?
緋乃:はい。どれだけ演奏が上手くても、バンドを続けていくこと自体が難しいので、一緒に活動を続けていける人間性を重視しました。遅刻をしないなど、当たり前のことがきちんとできる人を選びました。
ゴキタ:もちろん技術も大事ですが、バンドを続ける上で人としての信頼感は欠かせませんよね。
Vo緋乃さんの第一印象を教えてください!
長谷川:スーパーポジティブ人間!(笑)
緋乃:ええ(笑)!それはどういう時に思った?
長谷川:最初に会ったときの印象がとにかくキラキラしていました。
ゴキタ:活動的ではあるよね。
緋乃さんご自身ではポジティブだと思いますか?
緋乃:明るくはないですが、ある意味ではポジティブですね。
ゴキタ:外に出たり人と会ったりするから、自然とそうなっていったのかも。
長谷川:バンドの顔ですしね!
緋乃:いつも最悪の想像をするので何があってもそこまで落ち込まないん
音楽に出会い、バンドを組んだ経緯
音楽を始めたきっかけは何ですか?
ゴキタ:僕はもともと別のバンド活動をしていました。
メインで活動しているバンドはなかったのですが、ギタリストとしてサポート参加をしていましたね。
長谷川:コピーバンドを組んでいました。
今回バンドを組もうと思った一番の理由は何ですか?
緋乃:バンドをするとは思っていませんでした。でも、中国でライブをしたいという夢がありました。
国籍や文化が違う人たちと音楽を通じて心を通わせる瞬間にワクワクするんです。
その瞬間を自分で作りたいと思ったのが、バンド結成のきっかけです。
曲はバンド結成後に作ったのですか?
緋乃:はい。バンドを組むにあたって、「まずは曲が必要だ」と思い、最初に『残照』を弾き語りで録音して、メンバーに聴いてもらいました。
ゴキタ:最近の2、3曲はスタジオでセッションしながら生まれたものもあります。
それ以前の曲は、僕がある程度作ったものを、スタジオでアレンジする形が多かったですね。
海外を視野に入れた理由を教えてください
緋乃:カナダにいたときに出会った、中国人の友達との経験がきっかけです。
当時、私はなかなか現地に馴染めなかったのですが、その友人とはすぐに意気投合しました。
その友達は日本の文化が大好きで、一緒にその話で盛り上がった時間が本当に楽しかったんです。
その経験が、「音楽を通して、もっと国を超えたつながりを作りたい」と思う原点になりました。
その中国の友人も今回の中国公演に?
緋乃:はい!来てくれることになりました。とても嬉しいです。
中国公演はどのように決まったのでしょうか?
緋乃:中国のイベンターの方からお話をいただきました。
中国のファンはどのようにしてバンドを知ったのでしょう?
緋乃:正直わかりません(笑)。
中国で音源を配信できるディストリビューターを選び、配信も行っています。
その影響か、私たちのバンドのコピーをしてくれている人もいるみたいです。
国内よりも海外のほうが熱量が高いと感じますね。
ライブには海外のファンも多いのでしょうか?
ゴキタ:ライブによりますが、初期の頃は特に海外の方が多かったですね。
ライブや楽曲制作についてのこだわり
バンド名の由来を教えてください。
ゴキタ:みんなで神経衰弱みたいに案を出し合って、一気に決めました。不思議な語感になりましたね。
初ライブの思い出を教えてください
ゴキタ:ガチガチに緊張してしまいましたね。
緋乃:今振り返ると、あのダメダメな初ライブがあったからこそ、みんな練習に力を入れるようになったと思います。
ゴキタ:初ライブの日、中国のファンの方からサインを求められたんです。
緋乃:そうそう!フライヤーを拡大印刷して持ってきてくれたんですよね。
曲作りについて工夫していることはありますか?
緋乃:同じような曲にならないようにバランスを意識しています。例えば、暗い曲を作ったら次は明るい曲を作ろう、みたいな。次に作る曲はベースのれなさんと話していて、即興でピアノの伴奏をしてくれました。
長谷川:幼稚園の頃からピアノをやっていたので、和音を鳴らす感覚は自然と身についています。
ゴキタ:それに加えてれなさんは絵も上手いんですよ。
ジャケットにもこだわりを感じます。どれも素敵ですね!
緋乃:ありがとうございます。ジャケットは、この人にお願いしたい!と思う方に想いを込めてお願いしています。
創作の際に刺激を受けているものはありますか?
緋乃:自分の気持ちとリンクするものを見て、それを題材に付け加えることはありますね。
例えばNHKのドキュメンタリーを観たり、本や映画からインスピレーションを受けたりしています。
作曲時に、同じようなフレーズや癖が出てしまうことについてはどう思いますか?
ゴキタ:むしろ、それが“らしさ”だと思っています。
同じフレーズを繰り返すことが、そのアーティストの個性につながるので、それでいいと思います。
ライブで工夫していることはありますか?
ゴキタ:練習です!
長谷川:特別なことは特にないです。
緋乃:お客さん一人ひとりが、自分の部屋の中で聴いているようなライブにしたいと思っています。
みんなで一つの部屋にいるのではなく、それぞれの空間で自由に楽しんでほしい。ノリを強要したくないんです。
ゴキタ:コールアンドレスポンスをするのではなく、お客さん一人ひとりと向き合いたいですね。
MCは誰が一番話しますか?
緋乃:私が話すことが多いですね。上から目線にならないように気をつけています。
ステージから観客を引っ張るというより、一緒に走るイメージ。楽しみ方を制限したくないです。
ゴキタ:走らなくてもいい、みんなで丸座を組んでいるような感じですね。
今後の湯冷めラジオの展望とは
今後の夢や目指す姿を教えてください
ゴキタ:気が早いですが今度は今回よりも規模を広げて中国ツアーを行いたいですね。
今回行けなかった地域にも訪れたい。北京、成都など。
tricotさんが大好きなので、いつか対バンしたいですね。
あと、お笑い文化も好きなので、音楽と融合したイベントもやりたいです。例えば真空ジェシカさんとか。
緋乃:私は男性ブランコですね(笑)。
長谷川:私は日本のフェスに出たいです。例えばフジロックとか、憧れます!
ゴキタ:僕はラジオも好きなので、TBSラジオで冠番組を持ちたいですね。『生活は踊る』にも出たい。曲はたまに流してもらっているんですが、中嶋イッキュウさんのラジオでも紹介してもらっています。
緋乃:映画やドラマの主題歌を担当してみたいです!湯冷めラジオには映画好きのメンバーも多いので。あとはいつか中国の湖南省で1,000人規模のライブハウスを埋めたい。ライブの文脈で言うと、日本にも素敵な場所がたくさんあるので、島とか村とか変わったところでもライブをしてみたいです。自分達のライブをきっかけにそこの地域に人を呼べたり、お金を落とせるくらいになれたら嬉しいなあ。
緋乃さんはバンドのリーダーとしてとてもしっかりした印象ですが、いかがですか?
緋乃:メンバーみんながやりたいことをやれる規模感にしていきたいと思っています。
そこをしっかりやらないと、たくさんのバンドの中から突き抜けることはできないので。
すごいスピードで進化を遂げているように見えますが!
緋乃:全然です!毎日悔しい思いをしています。
本当は『BAYCAMP』など国内のフェスにも出演していたいくらいです。
影響を受けたアーティストがいれば教えてください
ゴキタ:ZAZEN BOYSと凛として時雨が好きです。
長谷川:影響を受けているかはわからないですが、ピアニストのmaracyさんのバンドのベースがかっこよくて、そこからベースを始めました。
緋乃:人生で一番聴いたのは[ALEXANDROS]、時速36km、Galileo Galilei。
でも、音楽的な影響を受けているかは自分では分からないです。
最後に
ファンの方に一言お願いします!
ゴキタ:聴いていただいてありがとうございます。これからも曲を作るので、楽しみにしていてください。
緋乃:中国ツアーに行けば、また新しい景色が見えると思っています。
新曲もリリース準備中なので、お楽しみに!
長谷川:ぜひ会いに来てください。
最後に最近あった嬉しい出来事は何ですか?
ゴキタ:引っ越しをしました!新しい生活が始まって、毎日家具を見たりするのが楽しいです。
長谷川:実家暮らしなんですが、今、母が福岡に行っていて、自炊や家事にチャレンジしています。
今日のお昼はカルボナーラを作りました。
緋乃:二つあります。
一つは、ライブのときに「仕事が辛いときに曲を聴いたら泣いてしまうこともあって」とファンの人が伝えてくれたこと。そしてもう一つは、中国ツアーが決まったこと。
まだ実感はないですが、頑張ります!
ライブ情報
2025年3月22日(土),23日(日)
at China
” 去下一輪夜 Vol.4 ”
- 3. 22. at 育音堂音楽公演店(上海)
with : 未来電波基地(JP), ihateEmeet(CN)
- 3. 23 at 酒球会(杭州)
with : 未来電波基地(JP)
初の中国ツアーが決定しました。
开票时间择日公开。祝大家新年快乐!
貴重なお話をありがとうございました!
今回のインタビューを通じて、湯冷めラジオというバンドの魅力がより浮き彫りになったのではないでしょうか。すでにファンの方には新たな発見があり、初めて知った方には楽曲やライブに触れるきっかけになったはず。
まずは中国ツアーの成功を願いつつ、これからの活躍にも期待しましょう!
「湯冷めラジオ」プロフィール
湯冷めラジオは日本の四人組バンド。内面に渦巻くあらゆる感情を源泉に、私たちが生きる世界を、共感や同感を求めない言葉をもって色彩豊かに音像化している。
2022年10月結成。2022年12月にリリースした初作品となる1stデジタルシング ル「残照」は国内外より注目を集める。2023年8月20日に下北沢Daisy Barにて初ライブを敢行した。
2023年11月6日には配信限定シングル「フランチェスカ」をリリース予定。 REC・MIXには大野ユウジ(fromココロオークション)を迎え制作した。ジャ ケットアートワークはフランスのアーティスト、Caroline Boussacによるもの。