ノスタルジーでロックで気だるい
パンクビートでテンポは早いのに、歌詞の青春の熱さとどこか気だるさの混じる不思議な楽曲。
それなのに統一感があって、聴く者の耳を離さない。
マイナーコードをうまくとりいれつつ哀愁漂う部分と、抜け感のある、どこか遠くへ飛び立ってしまいそうなこの曲は、ぜひライブで聴きたい一曲。
筆者も早速ギターでカバーしてみたが、歌って弾くのも最高!
歌詞の内容に迫る
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渡っていく髪と絵画
行け、クラーク差す方へ行け
渡っていく髪で悟ってしまいそうだ
”渡っていく髪”とは何を意味するのでしょうか。
最初耳だけで聴いた時は絵画とともに渡る”紙”をイメージしていました。
同じように思った方、いらっしゃるのではないでしょうか。
”紙”なら紙幣、お金だと思うのですが、”髪”なのです。
”髪”とは、自分自身の価値なのかもしれません。
ラララララ 届きゃしないよ進言投書
ラララララ 渡せなかったチョコも溶ける季節
”進言投書”という言葉は聞いたことはありますでしょうか。
この言葉単体ではメジャーではないのですが、目安箱のように、意見を投票することを指します。
自分の思いや思想はどうせ世間には届かないよね、、という敗北感。
そしてバレンタインで好きな人にチョコを渡せなかった自分は、勝手に諦めて悟っているのだと歌っています。
期待はしない様雑踏へ
知識に喰われた僕は
もうすぐゾンビになって
口だけ達者で困るわ
頭でっかちになっているけど、結局行動に移せない自分。
だからこそ変に期待はしないように雑踏へ溶け込みます。
「期待はしない様」と言っている時点で、多少なりとも期待をしているのです。
社会と自分のことを本音では理解しているからこそ”ゾンビ”と自虐しています。
Sweetie、テディ もう一回
僕を殺してくれ
痛いこと全部やんないで
口だけ達者で困るわ
僕を殺してくれという相手は誰なのでしょうか。
Sweetieもテディも、愛する人、恋人を指す単語かと思います。
大切な存在の人に、こんなダメな自分を叱ってほしい、殺してほしいというまたもや自分を卑下したような表現です。
こんな自分はどうしていけばいいのか、迷いも感じている感じです。
不安定 置いていかないで、なんで
乱気流にゆられどこへ行く
ラララララ
I wanna be a rock star
周りから置いていかれたくない、どうして置いていくの・・と焦りの反面、
自分の意思で進む方向を決めずに漂っていってしまおう という両方の感情が入り混じります。
周りと自分の比較や焦り、不安から解放されて、自分は自由で奔放なロックスターになりたいと繰り返します。
入学前オリエンテーション、寝そう
瞑想でどっかに旅に出ようか
学生の頃には馴染み深い入学前オリエンテーション。
集団や社会の枠組みの中に自分が存在しているものの、心はいつもどこか遠くへ行きたくてしょうがないのです。
フライデーナイト待っといて
素直になってたまるか
もうすぐゾンビになって
神に許しを請うだろう
金曜の夜に何かあるのでしょうか。
自分の行き先や自分の特性、そして周りの人たち。
すべて感じてわかっているからこその反骨精神。
頭ではわかっていてもうまく生きられない、自分らしくいたい。
そんな若者のもがきが読み取れます。
さいごに
若者の焦燥感と自分を守るための逃避、だけど自分と向き合おうとしている生き様が素敵な楽曲です。
掛け合いやハモリが効いていて、ライブで盛り上がること間違いなしです!
パンクビートにノスタルジーなメロディにぜひリピートして聴いてみてください!