オレンジに飛び込めという題名ですが、これは夕焼けを意味しているのでしょうか。
景色の情景と自分の存在との対比を優しく、そして力強く歌っています。
バンドのサウンドもシンプルな構成で、歌詞がより際立つようになっています。
”伝えようか、本当のことを”と何度か出てきますが、誰に伝えるのか。
そして何が本当のことなのか考えながらぜひ聴いてみてください。
歌詞に迫る
白い靄かかった
空からもう落っこちて
夕闇引き裂いた いつもと違う道バスの中
どこまでも続いてる
窓枠ネオン眺めながら
思い出したよ こんな帰り道
きみがただ笑ってたことを
いつもと違う道を通る時、過去に同じような帰り道があったことを思い出します。
今は隣にいないきみが笑っている描写が蘇ってきます。
いつしか大人になって
忘れてしまったどうしようもない事
待ち合わせたように
乗り合わせいつしか消えちゃうから
どうしようもない事だけれど、実は自分にとっては大事なことだったりします。
大人になるにつれ、ふと過去の事を思い出すことはありますよね。
次の駅に着いたなら
伝えようか本当のことを
私が居なくても
空はいつも通り迎えてしまうよ
本当のこととは一体何なのでしょうか。
この楽曲のテーマとも言える本当のこととは、
”私が例えいなくなったとしても、世界はそのまま回る”ということを暗に示唆しているのかもしれません。
車輪の轍が埋もれてさ
さっきまでの事もなかった様に
いつも通りみたいバスの中
まだ知らないことなんて
強くて脆い幻想郷
連れて行ってよ
こんな帰り道
大事なこと思い出したよ
時間も人も前に進み、過去のことはなかったように忘れられてしまう。
先ほどは”どうしようもない事”でしが、今回は”大事なこと”を思い出します。
そんなことを思い出せるあの帰り道に連れていってほしい。
日常で忘れていた感覚が、過去に向いています。
いつしか大人になって
捨ててしまったどうしようもない事
オレンジに飛び込め
見たことのないフリで今日を超えたい
次の駅に着いたなら
伝えようか本当のことを
私が居なくても
空はいつも通り迎えてしまうよ
”見たことのないフリ”で今日を超えたいという気持ちは、
既視感や慣れて擦れてしまった感覚や感情を新たに、もう一度味わいたいたいという思いからでしょうか。
行かないで側にいた
君の熱なくなっても
冷めないでこのまま
ただ笑っていた君に行かないでほしい、例えいなくなったとしても、
君の熱だけは冷めないでほしい。
いつしか大人になって
忘れてしまったどうしようもない事
待ち合わせたように乗り合わせ
いつしか消えちゃうから
次の駅に着いたなら
伝えようか本当のことを
私が居なくても
空はいつも通り迎えてしまうよ
伝えようか、本当のことを
次の駅に着いたなら、本当のことを伝えたい相手とは、”きみ”なのかもしれません。
抽象的な表現も、視聴者の想像力を掻き立てますね。
最後に
夕暮れを想起させるこの楽曲は、ひとりで考え事をしたり、歌詞と同様のバスでの帰り道に聴きたくなります。
ボーカルの三崎れもんさんの声がしっとりと心に染み渡ります。
聴けば聴くほどに味わい深い曲なので、ぜひ何度もリピートして聴いてみてください。
自分の中にある昔の記憶や、人生における大事なことを思い出すかもしれません。