春風レコードの「春愁」をご紹介します!
”令和のシティポップ”を彷彿させる、洗練されたオシャレな楽曲です。
日常の中での違和感や、情景と時間の経過をすべて重ねて表現する歌詞は唯一無二。
ボーカル池田 春の透き通る声に思わず引き込まれてしまいます。
MVではメンバーが草原で戯れる姿、街の景色など、映像が非常に美しく見入ってしまうほど。
ぜひMVとあわせてご視聴ください!
ここからは歌詞の考察をしていきます。
歌詞に迫る
誰もが眠る街の片隅で嘘が僕を睨む
それは僕の弱さを
指差し苦しめる
言いたいことも言えないような
暗い日々を重ねている
流るものは運命の様
変わりそうにない
夜になり街は寝静まっている中、自分の嘘に後ろめたさを感じます。
日中の慌ただしい時間を過ごしている時には気にかけていない心の内側が、夜の静かな時間に顔を出すのです。
本音をなかなかいえない社会で、流されるようについた嘘や、建前を気にして発した言動などがしこりのように残っています。
自分の意思で生きているのかわからない日々、周りに流されて生きることを”運命”と名づけているのか。
でも本心ではそんな自分を変えたい!と思っているのでしょう。
目を塞ぎ俯いてしまうから
夜明けも気づかない
このまま逃げるのか?
それもまあいいか
目の前の現実に対峙するには沢山のエネルギーが必要です。
そんなことならいっそ目を塞いでみないことにしよう。
”このまま逃げるのか?”一度は自分に問いかけます。
こんなはずじゃない、もっとこうしたいという意思はありますが、それすらもういいかと思ってしまう時はありますよね。
春の風が隙間を抜けるように
今日は少しだけ変われそうな気がする
夏の星が足元を照らす夜
今日は何か違う僕に出会えた
鬱屈として出口のない道を歩いているような感覚から、春の風が吹くことで少し空気が変わります。
変えたいと思っていた自分の心に素直になれそうです。
春から夏に季節が移り変わる頃、自分自身の心にも変化が現れているのですね。それに気づき始めます。
誰もが言えない事抱えて受けとめて生きている
それが出来なくたっていい
未来は明るいさ
言いたい事も言えないような
暗い日々を重ねていた
苦しみさえ愛せる夜を分かちあいたい
生きていると理不尽なことや矛盾、正しくないことも沢山味わいます。
それをすべて受け止めて生きることは難しく、むしろ出来なくてもいいのです。
今までの自分ならばすべて受け止めないと、と思っていたかもしれませんが、
心の変化が起きてからは、未来は明るいと吹っ切れています。
でもそこに至るには、今まで言いたいことを言えずに暗い日々を重ねていたからなのです。
その苦しみを感じ、最終的には愛せるように。
目を塞ぎ俯いてしまうから
夜明けも気づかない
このまま眠るのも
それもまあいいか
この世の中は全てを黒と白ではっきりわけることはできず、グレーなことも沢山あります。
その中で自分の気持ちを大事にしつつ、たまには力を抜いて「まあいいか」と思えることも重要なのです。
秋の歌が朝を導く夜
僕は見ていた夜明け前の涙を
冬を超えて全てを包み込む
今日は何か変われたんだ
朝になる
季節は夏から秋へ移ろいます。
”夜明け前の涙”とは、誰の涙を指すのでしょうか。
自分自身の涙なのかもしれません。
最終的には冬を超えて、1年間を通して自分自身が変わっていくことを示唆していますね。
”変われた気がする”ではなく、”変われたんだ”と断言しているところから、自分の意思の強さも感じられます。
朝がくることも前向きな要素を孕んでいます。
最後に
いかがだったでしょうか。
メロディーは都会チックで心地良く、歌詞には自分の心と向き合って変化していく様子を描いています。
少なからず人生のなかで同じように悩んだり壁にぶつかったり、生きづらさを感じている人はいると思います。
日々の生活に疲れたり、自分の本音と社会との溝を感じて現実逃避したい夜、そんな時はこの楽曲をぜひ聴いていただきたいです。
ふ、と心が軽くなって、明日の朝は少しでも前向きな自分がいることでしょう。