moë さんの「No Disk」をご紹介します!
80年代のシティポップを連想させる雰囲気、ノスタルジーで哀愁漂う楽曲、MV含め作品のすべてにmoëさんの世界観が散りばめられています。
独自の世界観で、懐かしくも新しさを感じる魅力的な楽曲です。
日常の何気ない出来事、大切な日々、そんな諸々が記憶と共に薄れていく様子を歌詞で表現。
儚さと寂しさが混在する歌詞に心が揺さぶられます。
MVも、moëさんの伝えたいメッセージが強く現れています。
ぜひ映像と一緒にご視聴ください!
ここからは歌詞の考察をしていきます。
歌詞に迫る
午前41時の自動応答機
信号の瞬き ついに途絶えた
41時とは、日付を超えた17時を指します。午前とつくところが意味深です。
自動応答機は、おそらく電話の自動応答を指していると思われます。
人気のない道路で信号が瞬いていて、それが途絶えてしまったようなイメージです。
このフレーズから、誰もいない雰囲気が漂ってきますね。
見捨てられた埃だらけの街で
流行歌 君が口ずさんでた
”見捨てられた埃だらけの街”は、寂れていて、そこには希望もなくなってしまったかのような印象を抱きます。
そんな中君が流行歌を口ずさむことで、人間の営みや、生きる希望が残っているのだと気付かされます。
All the memories are fading
And can’t fix anymore
呼び名すらもつかない日々が
不意に溢れ出し 輝いて止まない
日差しのなかへ薄れていく
uh uh
“すべての記憶が薄れていく”
”そしてもう直せない”
何気ない毎日がかけがえのない時間で、二度と戻らない輝かしいものなのです。
過去を振り返れば、全ての日々が大事なのに、だんだん記憶と共に薄れていってしまうのです。
儚さと刹那が融合したこのフレーズは生きることそのものを表現しています。
打ち捨てられた白い皿の破片に
ささやかな日常 宿る海辺
”打ち捨てられた”のは、おそらく海辺なのでしょう。
ささやかな日常は、海という壮大なもののなかに溶け込んでいくかのようです。
All the memories are fading
And can’t fix anymore
何も特別じゃない言葉
不意に突き刺さり 止まらない夜
君だけが抜け落ちた世界
いつもは何も感じない言葉でも、不意に胸に突き刺さることってありますよね。
自分自身もいつもとは違う感じ方や心の持ち様なのかもしれません。
”君だけが抜け落ちた”ということは、自分のいる世界から君がいなくなってしまったということ。
実際にこの世からいなくなったのか、それとも自分とは接点のない人になってしまったのか。
離れたところへ行ってしまったのは確かでしょう。
Memories are fading…
Memories are fading…
Melody you’re singing…
Can faintly hear you’re singing…
”記憶は薄れていく”
”あなたが歌っているメロディー”
”かすかに歌っているのが聴こえる”
君がこの世界から遠のいていくのと同じように、君が歌っていたメロディーがかすかに聴こえます。
この物語の終わりのような、フェードアウトしていく様が読み取れます。
何気ない輝かしい日々はいつの間にか記憶の中から消えていき、薄くなっていく。
それはまさに人間の死を意味しているような感じもします。
最後に
いかがでしたでしょうか?
moëさんの世界観が堪能できる作品になっていますね。
メロディーも心地よく、耳に優しく入ってくる歌声。
生きること、この世界、人生、そんな儚さをテーマにした歌詞は国内外問わず響いています。
moëさんにしか作り出せないこの魅力をぜひ味わってください!