爽やかで、すぅーと入ってくる優しい歌声が特徴的です。
日常の中で、愛している彼との距離を感じはじめる情景が浮かびます。
仕草や行動が詳細に伝わってくる歌詞は共感する内容も多いのではないでしょうか。
楽曲の中で何度かセリフも出てくるのですが、それがドキっとさせられます。
歌詞に迫る
朝7時のアラームで目が覚める
隣にはいつもの柔らかな寝顔
じゃなくてあなたの大きな背中だった
「行ってきます、今日も遅くなる。」
部屋の隅で寂しげに光るペアリング
穏やかで優しい時間が
少しずつ冷えていくそんな気がした
寝顔ではなく背中だったことから、彼が背を向けて寝ていることがわかります。
寝る体制から、彼の心の向きまでも示している一文。
今までの穏やかで優しい時間が恋しくなるような、
彼の気持ちが離れていくかのような感覚に襲われます。
例えば あなたが私じゃない誰かに
そのくしゃっと笑う顔を見せたなら
きっと きっと 作り笑いなんだって
言い聞かせるんだろう
私ししか知らないはずのくしゃっとした彼の笑顔。
もし他の誰かに見せているのなら、心からの笑顔ではないのだと自分に言い聞かせます。
そうして、自分の気持ちを保とうとします。
恐いもの見たさに魔が差した
開く筈のないパスコードと
画面越しの自分が惨めで
「女の勘って当たるからさ。」
いつか友達としてた笑い話
あなたの瞳に映る影のせい?
何の根拠も無いのにな
彼が他の誰かに心変わりしていないか不安な中、
いけないとわかっていてもスマホのロックを解除しようとします。
特に根拠があるわけではないですが、自分の中の勘が働いています。
それは、過去に女友達と笑って話していたことですが、今は自分ごとなのです。
話し合うとか向き合うとか
そんな解決策よりマシを選んだ
触れたら壊れてしまいそうで
彼に向き合って問い詰めたい、話し合いたいけれど、
そんなことをしたら今の関係がなくなってしまいそうでやめてしまいます。
ということは、見てみぬふり、いつも通りを貫くことにしたのです。
例えば あなたが私じゃないあの子に
大きくて温かいその手を差し伸べたなら
きっと きっと 見て見ぬ振りさえ 出来てしまうんだろう でも
例えばじゃない事くらい気付いてた
笑って強がって着飾ってみせた
きっと きっと それだけが私に出来ること 幸せになってね
私ではないあの子に、大切な彼の気持ちが向いてしまっても
結局自分自身は何もせずに見てみぬふりをしてしまう。
だけど、例えばという”もしも”ではなく、それが現実なのだと痛感します。
彼に本音をぶつけて話したら、きっと彼ははっきりとあの子のところにいくと意思表示するだろう。
だからこそ自分からは切り出さず、彼が離れていくのを見守るしかないのです。
最後の”幸せになってね”という言葉がなんとも言えない切なさを残します。
好きな相手が心変わりをして離れていく経験はリスナーの方にもあるのではないでしょうか。
最後に
私と彼との間の空気感や、どうにも戻らない関係。
そんなやりとりやシチュエーションが鮮明に歌詞に表現されてる失恋ソングです。
PVを見ながら楽曲を聴くと余計に感情移入します。
ぜひ山口華穂さんの優しい歌声と共に浸ってみてください。