ギターサウンドが心地よく始まるこの楽曲は、別れる前を予感している女性の気持ちを歌っています。
ボーカルの少しハスキーで特長のある声で、誰もが味わったことのある思いを歌詞にしています。
Bメロで数字を駆使している場面があるのですが、MVもそれにリンクしているのがいいですね。
筆者は一度聴いた時に、歌詞がスッと入ってきました。
歌詞の内容に迫る
左側が無音のイヤフォンから
分かって欲しかった恋の歌
終点間際で目を開けて
今日も自分を愛せなかったと
疲れた顔が窓に映っている
左側が無音というところで元気で完璧な状態ではなく、中途半端な雰囲気を感じさせます。
”今日も”ということは、自分を愛せないことが多いということですが、
そんな自分自身にしょんぼりしているのでしょうか。
窓に映るというところから、電車かバスに乗って音楽を聴いているのではないかと思います。
昨日15時 1時間の
微睡みを終えた君を見た時
もうこの部屋に来ることはないかもしれない
と思ってしまった
自転車の伴を漁るカバンの中には
未開封の飴
誰に貰ったのだろう
昨日の午後に二人で寝ていましたが、自分だけ眠りから覚めて隣にいる彼を見ると、
今までとは違った気持ちになっている自分に気づきます。
”もうこの部屋に来ることはないかもしれない”という表現はとてもリアルですね。
そう感じたことがある人は多いのではないでしょうか。
そしてその感覚は割とあっていて、もう終わりなんだなという予感が的中してしまうのですよね。
”未開封の飴”のくだりもよくあるシチュエーションですね。
取り出そうと探ると出てくるものです。
この辺の段取りも気持ちにリンクしています。
雨が降った後の湿った駅には
煙を吐く制服姿
踏切が泣く音を背にして
今日も星が見えない空を
眺めて朝の道を戻っている
先ほどは”飴”が出てきましたが、今度は”雨”です。
煙を吐く制服姿とは、吐息のことですね。
踏切が”泣く”というのは、いつもは普通の踏切の音が、今日は自分の気持ちが泣いているから
そう聞こえるのではないでしょうか。
星が見えないこと、自分を愛せないことは日常のようで、今日もという表現です。
朝の道ということは、昨日15時に感じた気持ちを胸に一晩を過ごし、朝を迎えていると想像できますね。
今夜22時 1時間の
お風呂の後に携帯を見て
君が画面の人だけになっても
平気かもと思ってしまった
朱色のリボンで逆さまに吊った花束が
寂しく微笑む
誰に貰ったのだろう
1番の歌詞と対比して22時、1時間の入浴です。
お風呂上がりに携帯を開くのって結構みんなやりがちですよね。
シチュエーションが非常によく目に浮かびます。
”画面の人だけ”というのは、もう会うことはなく、スマホの連絡先や写真、動画の中のみの人になったということですね。
平気かもと思ってしまうのは、諦め半分、落ち込み半分のような複雑な気持ちなのでしょう。
花束を誰に貰ったのか?彼からもらったのかと思いきや、これだけ彼のことを考えているのに
疑問が出る時点で、他の誰かから貰ったということなのでしょうか。
それとも、本当は彼から貰っていたけど、あえて忘れるためにこのように表現しているのかもしれません。
日付が変わって
明日が今日になったら嫌だな
知らない日々が始まる
本当に終わっちゃうの?
なんて君は言わずに頷いて
今までの日々を呑気に話し出すかな
その横で私が泣くかな
ここでポイントなのが、決して彼から別れを切り出されたわけではなく、
自分自身がこの恋はもうこれで終わりにしようと去る別れだということです。(違ったらすみません)
明日が今日になり、別れが現実なものになります。
たとえ彼に別れを告げても、泣いてすがるわけでもなく、平気な顔をしているであろう彼が目に浮かぶ。
だけど、今までの思い出や愛着から、自分自身が泣いてしまうかもしれない。
じゃあね さよなら またね なんて
くだらない約束だけが残されて
2人の日々は青い痣のように薄れてしまう
昨日15時 1時間の
微睡を終えた君を見た時
もうこの部屋に来ることはないかもしれない
と思ってしまった
テレビから流れる聞き覚えのあるメロディは
甘くて切ない
誰に教えてもらったのだろう
くだらない約束、確かに”またね”という決まり文句は、正直社交辞令ですね。
また会うことはないと思っているからこそのくだらない約束です。
お互い愛しあっていた日々も、最後には青い痣のようになってしまいます。
だけど、ふとテレビから流れる曲は、彼に教えてもらった曲。
心のなかにはまだ彼の名残や余韻が残っているのですね。
最後に
恋の歌ですが、彼女が彼氏に愛想を尽かして離れていく曲です。
もしくは、彼に他の女性がいることを知って離れていくのか、どちらかだと思いますが、
彼女側の視点で終始描かれています。
キャッチーで歌詞もメロディーもすぐに入ってくるこの曲に好感を持つのは言うまでもありません!
ぜひMVと一緒に彼女たちの世界観をご堪能ください。