ギター1本と心からの本音を伝える歌声が特徴的です。
サングラス姿が印象的な彼女の「普通に良い子」は、今や様々なところで耳にする機会も多いのではないでしょうか。
ストレートな歌詞は、聴く人の心に突き刺さり、少し恥ずかしくなるような赤裸々な思いにぐっときます。
小さな頃の自分、両親への気持ち、最近フタをして見ていなかった感情と向き合わせてくれる一曲です。
歌詞に迫る
忙しそうにバタバタしてるお母ちゃんの
背中みてると「今じゃない。」
そう言い聞かせて今日あった嬉しいこと
胸にしまいかみしめよう
今すぐにお母さんに話したい、今日の出来事も何もかも。
だけど相手は忙しそうで、穏やかな雰囲気でもない。
そんな時、子供ながらに気を使って言いたいことを我慢することは誰にでも経験あるものかもしれません。
疲れ切って帰ってきたお父ちゃんの
缶ビール開ける音で寝たふりしよう
ほんとは背中にダイブして
「飛行機ごっこしようよ!!」
だけどこれも今じゃない
お父さんにも今すぐにかまってもらいたいけれど、
大人は大人の事情があるのを、過去の経験でわかっているから素直になれない。
今日もお母ちゃんが帰って来る前に
全部宿題終わらせたよ!
大嫌いな算数で90点も取ったんだよ!
「当たり前でしょ」なんて言わない 優しいふたり
だから今は気づかなくていいよ
両親にほめてほしくて、今すぐにほめてほしいのに。
今すぐには難しそうだ。そんな自分の気持ちが渦巻きます。
ほめてよ お母ちゃん
ほめてよ お父ちゃん
ほめてよ 先生
ほめてよ 誰でもいいからさ
自分の中でためた石ころが
自分に向かい降り注ぐ前に
頑張っている自分に、誰でもいいから今すぐにほめてほしい。
そうでもしないと、自分の中の我慢や踏ん張りがきかなくなってしまいそう。
今にも泣きそうな感情がひしひしと伝わってきますね。
私より手のかかる生徒なんて山ほどいるよね
それにくわえてモンスターペアレンツ
対応してる先生を遠目にみるよ
夜になっても帰れないの?
自分はこんなに頑張っているのに
大人のことを考えて我慢もしているのに
自分の我を通す大人をみると矛盾を感じてしまいます。
今日は転んじゃったあの子を
保健室まで連れてってあげました!
消しゴム忘れたあいつには
自分のを半分にして貸してあげました!
悪いことしたやつ叱るほうが 先だよね
だから今は気づかなくていいよ
先生(大人)のために、自分はクラスの子を助けて良い行いをしたよ。
でも先生は良いことをした私よりも、悪いことをする子に目がいくこの現実。
ほめてよ お母ちゃん
ほめてよ お父ちゃん
ほめてよ 先生
ほめてよ 誰でもいいからさ
自分の中でためた石ころが
自分に向かい降り注いでいくよ
自分に向かって石ころが降り注ぐ寸前だったのに、
ついに降り注いでしまいます。
迷惑かけちゃだめなんだ
余計疲れさせちゃだめなんだ
ひとりだって良い子だよ
友達とだってうまくやれてるよ
Ah 真面目ってなんだろう?
良い子ってなんだろう?
良い子にしてると気付かれもしない
こんなに真面目に良い子な自分は、結局大人に見てもらえない。
だけど、大人たちは真面目や良い子になることを望んでいる。
良い子にした分、本当はほめてほしいだけなのに。
そんな矛盾が自分の心を満たしていきます。
ほめてよ お母ちゃん
ほめてよ お父ちゃん
ほめてよ 先生
ちっぽけなことだけどさ
自分の中でためた石ころを
今日も他人にぶつけなかったとなぐさめよう
ほめてほしいだけ、自分を見てほしいだけ、ただそれだけなのに叶いません。
ちっぽけなことだとわかっていても、納得できない心。
思わず自分の中の苦しさを相手にぶつけてしまいそうになるのに、それをも我慢している。
自分で自分を慰めるしかないのです。
でもほめてよ お母ちゃん
ほめてよ お父ちゃん
ほめてよ 先生
ほめてよ 誰でもいいからさ
自分の中でためた石ころが
自分に向かい降り注ぐ前に
それでも、やっぱりほめてほしい。
一番身近な両親に、大人に。
そして、自分をわかってほしい。
最後に
自我を持ち、社会の中で生きはじめた子供たちの中では感じることなのかもしれません。
世の中を生きていくには矛盾も不条理も沢山経験します。
純粋無垢で、素直な子供心に映る大人への思いがクリアに描かれている作品ですね。
ぎゅっと心を掴まれるような、幼い自分を思い出すような、そんな切なさも混じっています。
ぜひご視聴ください。